のれんの起源 歴史について
現在有力なのれんの由来は、二つあります。
- ■中国の「帳(とばり)」(布や紙などで作られた垂れ幕や、部屋や空間を仕切るための仕切り)から作られた
※ちなみに「帳」は、広義には帷子や垂れ幕、テントなども指すことがあります。 - ■日本の伝統的な建築の「庇(ひさし)」が起源屋根の軒先に垂らす布のことで、風雨や日差しから室内を守る役割を果たす。
とばりはどちらかというと祭りや行事の際の仮設の場など、庇(ひさし)は風雨や日光から守るだけなく、その敷居の結界的な役割。
その二つが合わさって現在の暖簾となっている説というのはあながち間違っていないと言えるのではないでしょうか?
日本の歴史書物にのれんが登場したのは?
代表的なのれんの長さを説明する際によく使われるのは下記4種
よくきかれる定番のれんのサイズですが、特に規定はありません。
昔は現代のようなcmのような共通の単位はなく、中国の古代から使われていた「尺」という、親指と人差し指を広げた長さの単位を一つの指標としておりました。
日本では、女性の手を基準として、1尺を約17.3cmと定めました。※非常にあいまいな基準
ちなみに非常に曖昧であった為(地方によっても異なる)戦後メートル法という法律ともに社会的に禁止された歴史があります。日本では、1885年にメートル条約に加盟し、1891年に度量衡法が公布されました。度量衡法は、メートル法と尺貫法の併用を定めたもので、メートル法が徐々に普及していきました。 第二次世界大戦後、1951年に度量衡法は廃止され、1959年に新しい計量法が制定されました。新しい計量法は、メートル法を唯一の法定計量単位とし、尺貫法の使用を廃止しました。 しかし、土地の面積については、慣習的な理由から、メートル法の導入が1966年にまで延期されました。
鯨尺とは鯨のヒゲを用いたと言われる専用のものさしで呉服等の仕立てで一般的であったことから、
暖簾を作る際鯨尺を使い一般的な鯨尺三尺となったとされる説が一番有力です。
1のれんの長さを一般的と決め、その半分を半のれんと予備それより長いものを長のれんとした説です。
あくまでも一説に過ぎず 参考程度とお考えください。
- のれん・・・・・・・・・・・・ 縦 鯨尺三尺(約113cm)
- 半のれん・・・・・・・・・・・ 縦 一尺五寸 (約56.5cm)脇差(サイズ)
- 長のれん・・・・・・・・・・・ 縦 約150cm
- 水引のれん・・・・・・・・・・ 縦 縦横約45cm~38cmの正方形
- 日除けのれん・・・・・・・・・・縦 商品を守る日よけの為特に指定はなく、生地を縫いづぎ
※日よけ暖簾は、風を受けて大きな音がしたことから、太鼓暖簾と呼ばれることもあります。
水引のれん のれん 日除けのれん 半のれん 長のれん
ちなみにのれんの横幅は、生地巾の時代であったので38cm~45cmを単純に×2していただけです。
現代のように通常3巾(112cm)のように広幅が主流になった現在では生地をカットして周囲縫製をするのが一般的ですが、
昔は生地巾のまま使いました。
※生地巾で使う方が生地は強く、生地の落ち方も綺麗だと言われています。※現在でもたまに耳生かしで仕事することときございます。
昨今では下記のような人の位置やドアの位置から縦横サイズを決めるのが一般的です。
そのほか用途別で様々な言い方でのれんは呼ばれます。
■店舗のれん ■楽屋のれん ■湯のれん(ホテル・旅館のれん)
■間仕切りのれん(無地のれん) ■ウェディングウェルカムのれん ■お寺寺院のれん
素材別のれん
- 布のれん:ポリエステル 綿 正絹 などでインクジェットや手染めやシルクプリントや刺繍で作られています。
※当社が製作しているのは布のれんのみです。 - 竹のれん:竹の皮を編んで作られたのれん。
- すだれ:竹や葦などの細い素材を編んで作られたのれん。
- 木製のれん:日本の伝統的な茶室や和風建築で見られることがあります。
- ビーズやガラス玉のれん:ビーズやガラス玉で作られたのれん。
- 紙のれん: 和紙などの紙素材を使用して作られるのれんもあります。これは軽く、季節や行事に応じて使われることがあります。
そのほか 金属製のれん 革製のれんもあるそうです。
のれんの何枚に仕立てにしたらよいのでしょうか?
お客様からお問い合わせがある横幅が広いのれんにつきましては、
商売用に使うのれんのひだの数は奇数がよいとされていました。
これは商売は割り切れない方がいいという縁起からきていると言われています。
我々にもよく質問があるのですが、縁起に従って3、5、7の奇数がよいのでは?と
ご提案しております。
※奇数はおめでたい数字とされています。 奇数とは「割り切れない」つまり、「余りがでる」ということ。 “商売にも余裕がでる”と言われています。
のれんの分かれ目にデザインが入るのは縁起が悪い?
家紋やロゴなどが生地と生地のちょうど間に配置されるデザインは、
縁起が悪くていやだという方々います。
我々京都のれんのではむしろそのようにする方が通例とお伝えしております。
のれんは古来結界代わりに使われていました。
とくに家紋はその家柄(位)を表すものであるので、
その家紋が書いてある=その身分にある人という意味がありました。
のれんの中央に家紋があることでその家紋をくぐって中に入る行為が、
そのお店やその家に入る資格があるといった意味をもち、大変重要なものでありました。
物理的に見れば布一枚で入る入らないが左右されるものも可笑しい話ですが、
結界や物に自然万物に神様が宿ると考えた八百万の神の考え方の日本人には
非常になじみ深いものであったのかもしれません。
のれんのサイズの件でいえば、長くすればすれほど入りにくい店になり、
少数の質の高いお客様が来やすくなり、短くすればするほど多数の人がくるが、
前者と比べて質の低いお客様がくるというのは私ども京都のれんのお客様でも
よく聞くお話しであるので、結界という考え方はあながち間違いでもないかもしれません。