マンセル値とは、マンセル・カラー・システムで用いられる色を数値化したものです。
このシステムの元になったものを作り出したのはアメリカの画家または美術教育者のアルバート・マンセル(1858-1918)という人物です。システムが登場するまで、色を指す方法は名前のみでした。
しかし色の名前のみだと、曖昧であり、誤解を招きやすいものです。ですが、数値化(システム化)することで
あらゆる色が正確に表現することが可能になりました。
例えば同じ色でも淡いものもあれば濃いものもあります。JIS(日本工業標準調査会)規格においても
「赤」「レッド」「紅赤」「金赤」「黄赤」などが存在しています。
※画像は色の名前507 1ページ さくらいろ 福田 邦夫様 (著)出版社: 主婦の友社 (2017/2/24)より
その他指標 CMYK RGB
実物を見せればその色に調合しますが、大量にインクやペンキを用意しなければならい場合にはやや不便です。
そこで1943年にアルバート・マンセルの考えを元に作り出されたのが現在でも使用されているマンセル値になり
ます。マンセル値は主に色彩表現が必要な印刷やアパレルといった業界を中心に使われています。
色を「色相・明度・彩度」で表現する値
上記さくらいろでいうと
マンセル値は色相、明度、彩度の3つで表現されているものになります。
色相に関してはR(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)の5種類を基本として時計回りに等間隔に配置されておりさらにその間にYR(黄赤)、GY(青緑)、PB(青紫)、RP(赤紫)が挿入されており、この合計で10種類から成り立っています。
この表現によって、ほとんどの色が表現可能です。ここに色の印象を左右する
明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)が加わります。
明度は10段階になっており10が理想的な白0が理想的な黒という表現になっており、これらを均等に合計11段階に分けられて表現されています。その数値が高いほど淡い印象になり、低いほど暗いものになります。一方で彩度に関しては0が無彩で高くなるほど鮮やかになっていきます。これらの数値はその他のカラーを表す
数値と置き換えることが可能で、コンピューター上でも再現することができます。
数字で色を表せることのメリット
数値で表せることのメリットは、確実に同じものが再現できるということです。これは印刷や塗装をする際には欠かせないものです。例えばオリジナルののぼりを製作する際にも数値によって指定することで希望するのぼり旗を作ることができます。もし数値で表現しなければ製作するロットののぼり旗によって印象が微妙に変わってきます。また既製のインクや塗料をそのまま使うのであればそれほど気にするものではありませんがオリジナルにブレンドするといった場合には、やはり微妙な差が出てきます。このようなことを防ぐためにマンセル値など数字で表すものが使われています。
一方でお客様がマンセル値を意識するということは殆どありません。オリジナルののれんを製作するにしても現在はコンピューターを使って作業をし、昔のように見本をみながらのれんの色を合わせることがなくなっています。そのため、のれんを作る際にマンセル値でのれんの色を指定するということは意識しなくなっていますが、ご希望あればマンセル値で指定してみるのも良いでしょう。
京都府景観条例でも重要視 マンセル値彩度
景観条例とは地域の個性と特色を生かした良好な景観の形成に関する施策を総合的に推進するため、各都道府県にて制定されています。ここ京都ではご存知のとおり歴史的建造物が非常に多いため、あまり厳しくないと言われている地域でも特に歴史的建造物が近くにあると急に規制が厳しくなります。
なお京都景観についてのお問合せは
建設交通部都市計画課
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